【3月11日 AFP】中国外務省は11日、チベット自治区の中心都市ラサ(Lhasa)で警察当局が僧侶らによるデモを鎮圧し、数人を拘束したことを明らかにした。僧侶のデモは1959年のチベット動乱から49年を迎えた10日から行われていた。

 秦剛(Qin Gang)外務省報道官は記者会見で、「10日午後、ラサで複数の僧侶が、一握りの民衆にそそのかされて違法行為を行い、社会の安定を乱そうとした」とし、警察当局が僧侶らを拘束したことを明らかにした。拘束された人々の処遇については「法に則って対処する」と述べ、詳しくは触れなかった。

■「数十人」拘束との報道も

 米政府が出資する「ラジオ自由アジア(Radio Free Asia)」はラサのデモについて、300人規模の僧侶らが10日にデモを行い、郊外のデプン(Drepung)大僧院から中心部のポタラ宮殿(Potala Palace)に向かって行進を試みたと報じている。

 同ラジオによると、警官隊と人民武装警察部隊はデモの拡大を阻止するため道路を封鎖。ラサ周辺の寺院を包囲し、行進に参加していた僧侶ら50-60人を拘束した。中心部では、これとは別に11人がかろうじてデモを実施したが、やはり拘束されたという。

 一方、中国国営新華社(Xinhua)通信は、チベット高官の話として、僧侶300人がデモに参加するためラサに入ったが、いずれも静かに立ち去るよう「説得」されたと報じた。

 チベットの反体制活動家にはこれまで重い禁固刑が科されている。(c)AFP/Dan Martin