【3月8日 AFP】総選挙を2日後に控えたスペイン北部バスク(Basque)地方のモンドラゴン(Mondragon)で7日、与党系社会労働党のIsaias Carrasco元市議が射殺された。

 主要政党の社会労働者党と国民党は事件を受け、直ちに選挙活動を中止。政府は、全政党をマドリード(Madrid)の国会に招集した。

 政府は2週間前、9日の総選挙を狙った同地方の分離独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由(ETA)」による攻撃を警戒して、テロ警戒レベルを最大レベルに引き上げていた。

 目撃者がニュースチャンネルCNN+に語ったところによると、自宅の外にいた元市議は、妻と娘の目の前で数回撃たれたという。

 地元警察の調べでは、事件は午後1時40分(日本時間同9時40分)ごろ発生。犯人の特定には至っていないという。

 アルフレド・ルバルカバ(Alfredo Rubalcaba)内相は前月、ETAが総選挙前に「殺人を試みる」のではないかとの懸念を示していた。

 欧州連合(EU)や米国からテロ組織とみられているETAは、同国北部とフランス南西部のバスク地方の独立を求める活動を約40年間にわたって展開、スペイン国内でこれまでに819人を殺害した。(c)AFP