【3月7日 AFP】本格的な演技に定評のある英女優ヴァネッサ・レッドグレーヴ(Vanessa Redgrave、71)がAFPのインタビューに応じ、脚本選びや家族について語った。

■コメディやアクション映画にも出る可能性はある

 まず、脚本選びについて。「歴史上のどんな時代でも、その当時の社会に関するテーマのある脚本なら興味を持ってきた。でも、トム・クルーズ(Tom Cruise)をからかい、あざける役を演じた『ミッション:インポッシブル(Mission Impossible)』のようなアクション映画がつまらない訳ではないわ」と、レッドグレーヴは話す。

「特に舞台では演技派女優で、裏方としては様々なテーマのある作品を支援しているという評判だけど、選んだ作品ではいつもエンターテイメント性を追求しているの」

■エミー賞受賞の可能性も高い出演ドラマが米デビュー

 レッドグレーヴは、英テレビ局Hallmark Channelが制作した2時間ドラマ『The Shell Seekers』の宣伝活動のためハリウッド(Hollywood)を訪れた。ロザムンド・ピルチャー(Rosamunde Pilcher)の同名小説(邦題『シェルシーカーズ』)をドラマ化した作品だ。

 ストーリーは、レッドグレーヴ演じる女性が、心臓発作を起こした元芸術家の父親とスペインのイビサ(Ibiza)を訪れ、そこでロンドン(London)やコーンウォール(Cornwall)で過ごした時代を振り返るというもの。レッドグレーヴの父親が描いた一枚の絵に高価な値が付くとわかると、家族内に亀裂が生じ、各自の真の姿が明らかになっていく。

 同作品は5月3日に米国で放映される。レッドグレーヴは監督のピアーズ・ハガード(Piers Haggard)とともに、この作品でエミー賞受賞する可能性が高いとみられている。

■オスカー、カンヌなど数々の受賞歴

 これまでも授賞式には無縁ではなかった。メリル・ストリープ(Meryl Streep)のスクリーンデビュー作となった『ジュリア(Julia)』(1978年)では、アカデミー賞助演女優賞を獲得、ほかにもオスカーに5回ノミネートされている。さらに1966年の『モーガン(Morgan, A suitable Case for Treatment)』と1969年の『裸足のイサドラ(Isadora)』でカンヌ国際映画祭の主演女優賞を獲得するなど、様々な賞を受賞した。

■家族から受けた脚本選びの影響

 シドニー・ルメット(Sydney Lumet)監督の『オリエント急行殺人事件(Murder On The Orient Express)』やミケランジェロ・アントニオーニ(Michaelangelo Antonioni)監督の『欲望(Blowup)』など、レッドグレーヴが出演する作品に共通するものは、ストーリー展開の良さだ。

「役者だった両親から話の筋の大切さを学んだ。質の悪い脚本を救えるほど、才能のある役者はいない」

 俳優だった父マイケル・レッドグレーヴ(Michael Redgrave)と女優だった母レイチェル・ケンプソン(Rachel Kemson)から受け継いだこのアドバイスを、レッドグレーヴは娘で女優のナターシャ・リチャードソン(Natasha Richardson)とジョエリー・リチャードソン(Joely Richardson)にも語り継いでいるという。

 俳優の弟コリン・レッドグレーヴ(Corin Redgrave)と女優の妹リン・レッドグレーヴ(Lynn Redgrave)も、「お金を稼ぐためだけに演じていたときに、演じることの芸術性を教えてくれた」と、感謝の意を示している。

■共演者が語るレッドグレーヴの人格

『キャメロット(Camelot)』で共演したリチャード・ハリス(Richard Harris)は、2002年に死亡する前のインタビューでレッドグレーヴについて、こう語っていた。

「例を見ないような大規模なミュージカルで、予算もオーバーし、毎日プロデューサーのジャック・L・ワーナー(Jack L. Warner)から早くうまくやれと、プレッシャーを受けていた。ヴァネッサはよくわたしを抱きしめ、力を合わせてやることをやれば、すべてはうまくいくと目を見て語ってくれた。そのシンプルなアドバイスと心温まる彼女の性格で、わたしは役者人生でもっとも苦しい撮影を乗り切ることができた。彼女にはいつも感謝している」(c)AFP