【3月7日 AFP】4日に現役引退を発表していたグリーンベイ・パッカーズ(Green Bay Packers)のクォーターバック(QB)のブレット・ファーヴ(Brett Favre)が6日、パッカーズの本拠地ランボーフィールド(Lambeau Field)で引退会見を開いた。

 会見に臨んだファーヴは、「NFLとフットボールの試合において、自分にできることは全て出し尽くしたと思う。やり残したことは何もない」と話し、感極り涙を堪えながらフットボールに別れを告げた。

 パッカーズの歴史上最もファンから愛された選手の一人であるファーヴは、引退の理由について「まだプレーできることは分かっている。だがプレーしたいとは思わない。それがこの決断に至った理由だ。私はこれ以上の挑戦はしない。プレーすることは可能だが、もう挑戦はしない。日曜日にスタジアムに来て3時間も試合をするなんてことはもうできない」と話し、技術の衰えが問題ではなくプレーする意欲が沸かなくなったことを挙げた。

 ファーヴはここ数年引退についてほのめかしてきたが、2007シーズンのファーヴはチームをNFC決勝に導く活躍で復活を果たし、シーズン中は楽しんでプレーしているように見られたため、4日の引退発表は衝撃を与えた。

 2007シーズンのファーヴは通算3度目のスーパーボウル(Super Bowl)制覇を目指したが、NFC決勝でオーバータイムの末にニューヨーク・ジャイアンツ(New York Giants)に敗れ去った。

 ファーヴの現役最後となったパスはジャイアンツのCBコーリー・ウェブスター(Corey Webster)によりインターセプトされ、決勝点となったローレンス・タインズ(Lawrence Tynes)の47ヤードのフィールドゴールへとつながってしまった。

 しかしファーヴはそれでも引退することに後悔はないとし「一つのプレー、一つの試合、一つのシーズンが私の評価を決めることにはならない」と話した。

 パッカーズのゼネラルマネージャーを務めるテッド・トンプソン(Ted Thompson)氏は「彼はNFLの歴史の中で最も偉大な業績を残した選手の一人。彼は自分の意思でフットボールを離れる道を選択した。多くの選手がそうした選択をできるわけではない」と話した。

 ファーヴはチームと協力してレシーバーの獲得に動いていたが、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)に残留したWRランディ・モス(Randy Moss)の獲得にパッカーズが失敗したために引退を決意したのではないかという憶測に対し「報道などで、パッカーズが十分に良い成績を残し、テッドやヘッドコーチが引き止めているにも関わらず、なぜ私が引退するのか議論の的になっていることは知っている。だが噂されていることと私の引退とは一切関係はない。心から誓う」と否定している。

 1992シーズンにアトランタ・ファルコンズ(Atlanta Falcons)から加入したファーヴは、同シーズン第4週から当時パッカーズのQBを務めていたドン・マジカウスキ(Don Majkowski)氏に代わって先発出場を果たすと、その後は253試合の連続先発出場記録を達成した。

 パッカーズのマーク・マーフィ社長は「NFL史に残る最高の選手の引退を見届けるのは切ないものだが、ファーヴがこの決断を下したことは彼にとっても、彼の家族にとっても喜ばしいことだ」と話している。(c)AFP