【3月5日 AFP】中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は、5日に北京(Beijing)で開幕した第11期全国人民代表大会(全人代=国会)第1回会議の冒頭で、約2時間半にわたり政府活動報告を行い、中国政府の今年の優先課題や計画の骨子を発表した。以下はその要旨。 

■経済成長

 成長率11.4%だった前年に対し、今年の経済成長率の目標は「8%前後」。「今年のマクロ経済規制の重要課題は、急速に成長する経済の過熱を回避すること」。

■インフレ対策

 消費者物価上昇率を4.8%以内に抑える。「現在の物価上昇とインフレ圧力は人民の最大の懸念」と認識。

■社会保障・教育支出の見通し

・社会保障費は19.8%増の2762億元(約4兆円)
・医療保険は25%増の832億元(約1兆2000億円)
・教育費は45%増の1562億元(約2兆3000億円)

「不確実性に対する都市部、農村部双方の住民の懸念を取り除く健全なセーフティーネットの確立が、経済的・社会的成長に直接的影響をもたらす」

■政治

「政治機構改革を一層進めて、社会主義に基づいた政治規範を発展させる」

■軍事

 軍事予算は前年比17.6%増の4178億元(約6兆800億円)。

「われわれの目標は、新世紀の新たな舞台で中国軍が十分に歴史的使命を果たせるようにすることだ」

■台湾問題

「台湾の分離独立運動には断固反対し、いかなる形、方法であっても台湾を本土から分離させようとする者を許さない」(c)AFP