【3月4日 AFP】インド政府は3日、女児中絶を減少させる措置として、女児を持つ家庭への経済支援策を検討していると発表した。

 インドでは、伝統的に男児は大黒柱と見なされており、一方女児は結婚時に持参金が必要となることから、家族にとっては重荷とされている。

 女性・児童開発担当大臣のレヌカ・チョードリー(Renuka Chowdhury)氏は声明で、経済支援は各家庭での女児の養育および教育を奨励するために行われると明らかにした。

 インドの男女の出生比率は1000対927で、女児の出生率は世界平均の1050と比較してはるかに低い。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、インドでは毎日女児約7000人が中絶され、英医学雑誌ランセット(Lancet)の調べでは、過去20年間で1000万人の女児が失われているという。

 今回の措置では、女児を持つ家庭に対し、女児が就学し未婚の場合は18歳まで、保険による保証も含め20万ルピー(約50万円)相当の経済支援が行われる。

 政府は来年度、この措置に1億ルピー(約2億5000万円)の予算を充てている。同大臣はこの措置で10万人以上の女児が恩恵を受けると見ている。

 チョードリー大臣は、「この措置が導入されれば、女児がいる家庭は収入を得ることになるため、家族は女児を負担ではなく財産とみなすようになる」と期待感を示す。

 インドでは、男女産み分けのための妊娠中絶は法律で厳しく禁止されているが、医療関係者がこれを実入りのいい商売としていることから、告発されるケースは非常に少ないという。(c)AFP