【3月3日 AFP】大統領選挙の結果に抗議する野党支持者と警察部隊との衝突で死傷者が発生し、非常事態宣言が発令されたアルメニアの首都エレバン(Yerevan)では2日、軍部隊と戦車が市街地に展開し警戒を続けている。

 政府の主要庁舎と外務省庁舎の周囲を約100人の兵士と十数台の装甲車が警備しているが、市街は比較的落ち着きを取り戻している。店やカフェも営業しており、建物の被害状況を確認する住民の姿も見える。炎上した車の残がいや、衝突時に使われた石や鉄パイプなども、路上から撤去された。

 衝突ではこれまでに、民間人7人と警官1人の計8人が死亡。警官1人が危篤のほか、17人が銃弾を受けて病院で治療を受けている。保健省は2日、警官72人と民間人59人が負傷したと発表した。

 ロベルト・コチャリャン(Robert Kocharian)大統領は1日、非常事態宣言を発令、抗議集会の禁止とメディア規制を強めた。非常事態は20日に期限を迎える。

 国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)と欧州連合(EU)は事態の沈静化を呼びかけ、米国もこれに同調した。また、欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)は、交渉のため特使を派遣した。(c)AFP/Antoine Lambroschini