【2月24日 AFP】モロッコの裁判所で22日、同国の王族になりすましてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に書き込みを行ったとして、コンピューター・エンジニアの男性に禁固3年、罰金1万モロッコ・ディルハム(約14万円)の判決が言い渡された。国際人権団体は刑が重過ぎるとして反発している。

 判決を受けたのはFouad Mourtada被告(27)。国王シディ・モハメド6世(King Mohammed VI)の弟、ムーレイ・ラシード王子(Prince Moulay Rachid)と偽って米大手SNSフェースブック(Facebook)に登録したとして起訴されていた。

 同国のカサブランカ(Casablanca)で開かれた裁判を傍聴した国際人権団体アムネスティー・インターナショナル(Amnesty International)のBenedicte Goderiaux氏は、検察側と判事の双方が「王子に象徴される神聖な王族の権威を揺るがせた」として繰り返し被告を非難したと述べ、もしこれが判決の根拠ならば、アムネスティー・インターナショナルは同被告を「良心の囚人」と見なすだろうと述べた。

 さらに、Goderiaux氏によるとMourtada被告とその弁護士は、供述調書への署名を強要されたと話しているといい、供述調書の証拠能力にも疑問を呈した。

 検察側はMourtada被告への刑罰が一種の見せしめになるよう求める立場を示していたが、弁護側は被告は深い意味もなく楽しんでいただけで、米国、カナダ、欧州での同様のケースでは裁判沙汰になることはありえ得ないと主張していた。

 「フェイスブックを見れば、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)、トニー・ブレア(Tony Blair)など著名な政治家のほかスポーツ選手や映画俳優を名乗るサイトが山ほどある」と話すのはMourtada被告の弁護を務めるAli Ammar弁護士。

 なぜ王子と偽ってフェイスブックに登録したのかとの問いに、Mourtada被告は、「王子をとても敬愛しているし、王子の身分を悪用したことはない。ほんの冗談のつもりだった。私は無実だ」と答えたという。(c)AFP