【2月20日 AFP】キューバを率いてきたフィデル・カストロ(Fidel Castro)国家評議会議長(81)の引退表明をうけ、この半世紀で初めてカストロ氏の後継者について憶測が飛び交っている。専門家の間では誰が後継者になるにせよ、キューバの新しいリーダーは変革への圧力に直面するだろうと考えている。

 カストロ議長は、2006年7月末に手術を受けて以来、実権を暫定的に実弟のラウル・カストロ(Raul Castro)国防相に委譲しているが、明確には後継者指名を行っていない。しかし、ラウル・カストロ氏が国家評議会議長を引き継ぐとの見方が大勢だ。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の国防大学(National War College)で国家安全保障を専門とするフランク・モラ(Frank Mora)教授は、カルロス・ラヘ(Carlos Lage)副議長が後継者になる可能性もあるとしながらも、最有力候補はやはりラウル・カストロ氏だとみる。しかし、引き続きキューバの実権を握るならばラウル氏は「より高い『生活の質』への期待に応える必要がある」と指摘する。

 しかし、パリ(Paris)の社会史研究所(Social History Institute)でキューバ情勢が専門のPierre Rigolout所長は、カストロ氏が国家評議会議長を退いたとしても、共産主義国家で強い影響力を持つ共産党書記長にとどまることを指摘し、後継者を探る動きは「時期尚早」だと語る。
 
 ワシントンD.C.を拠点とする米州対話フォーラム(Inter-American Dialogue)のピーター・ハキム(Peter Hakim)氏も、現時点で後継者を予測することは不可能だという。また、カストロ議長が引退しても、直ちにキューバに変革がもたらされる可能性は少ないという。

 同氏は、カストロ議長は引退後もキューバ共産党最高幹部としての存在感を発揮し、政治分野などで様々な圧力となり「権力の移行は緩やかに行われるだろう」との見方を示した。(c)AFP