【2月19日 AFP】セルビア南部コソボ(Kosovo)自治州の独立宣言を受け、米国および欧州の主要各国は18日、相次いでコソボの独立支持を表明した。一方で分離独立の無効を訴えるセルビア政府は、後ろ盾となる支援国の獲得をすすめている。

 米国はこの日、コソボをもっとも新しい国家として公式に承認。コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は声明を発表し、「米国政府は、コソボを独立した主権のある民主国家として公式に承認する」と述べ、国交関係は今後樹立されると発表した。

 ベルギーのブリュッセル(Brussels)では、欧州連合(EU)の外相級会議に出席した英・仏・独・伊の外相らが独立を承認する意志があることを明らかにした。

 セルビアはコソボの国連・EU加盟を阻止する構えを見せており、一方的な独立宣言を行ったコソボ指導者らに対し法的措置をとる構えを示した。

 現在、中国、ルーマニア、ロシア、スペインなど複数の国が独立に反対しているが、ハシム・サチ(Hashim Thaci)コソボ首相は国際的な承認を得るのは時間の問題だとみている。

 ブリュッセルの外相級会議では意見が二分し、EU加盟各国は個別に独立承認についての意志を表明することを決定している。

 デンマークのリツァウス(Ritzau)通信は、同国のペア・スティー・ムラー(Per Stig Moeller)外相が、EU加盟国のうち12-15か国が22日までにコソボ独立を公式に承認するとみていると伝えている。

 一方、自国に分離・独立を主張する勢力を抱えるスペインを筆頭に、ルーマニア、キプロス、スロバキア、ブルガリアがコソボの独立に反対している。Mediafax通信によると、ルーマニアのトライアン・バセスク(Traian Basescu)大統領はコソボの独立宣言を「違法な」行為と言明したという。(c)AFP/Paul Harrington