【2月18日 AFP】(写真追加)セルビアのコソボ(Kosovo)自治州議会は17日、特別議会を開き、独立宣言を採択した。民族紛争から解体した旧ユーゴスラビアで最後に残った同自治州が独立宣言に踏み切った。

 議員による挙手採決で独立宣言が採択された後、ヤクプ・クラスニチ(Jakup Krasniqi)議長は、「この時点からコソボの政治的位置付けは変わった。われわれは独立した自由で主権のある民主国家だ。皆さんおめでとう」と述べた。

 同議会は、世界で一番新しい国家は「平和と安定に力を注ぐ」とする独立宣言案の採決を行った。州都プリシュティナ(Pristina)には、数万人が旗を振りながら集結した。

 また、同議会は人口約200万人のコソボの新しい国旗案も承認した。

 セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は同日、セルビアは決してコソボ独立を承認しないとの声明を発表。平和的、外交的、法的手段を用いてコソボの独立宣言を無効にすると強調した。

 米国とともに英国、フランス、ドイツ、イタリアは18日にも、正式にコソボ独立を承認する見通しだが、キプロス、ギリシャ、ルーマニア、スロバキア、スペインは承認を見送る方針。

 マルタやポルトガルなどは、国連安全保障理事会(UN Security Council)の決定に委ねられるべきだとの姿勢を取っている。

 コソボの独立が、ほかの分離独立派の前例になる危険性があるとみる国もあるが、欧州連合(EU)は、類似性はないとしている。(c)AFP