【2月14日 AFP】2008ツール・ド・フランス(2008 Tour de France)の主催者アモリ・スポール・オルガニザシヨン(Amaury Sport Organisation:ASO)は現地13日、過去2年に渡るドーピングスキャンダルを理由に、2007ツール・ド・フランス覇者のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が所属するアスタナ(Astana)を今年のレースから除外することを発表した。

 アスタナがツール・ド・フランスと自転車競技界全体に与えた損害を考慮したASOは「処分が下されたアスタナは、昨年行われたツール・ド・フランスで大会主催者であるASOの信頼を裏切りました」と声明を発表し、アスタナをASO主催のいかなるレースにも出場させないことを決断した。

 この決定はコンタドールだけでなく、チームメイトで2007ツール・ド・フランスでは3位に入ったリーヴァイ・ライプハイマー(Levi Leipheimer、米国)や、レースの本命と目されていたアンドレアス・クローデン(Andreas Kloden、ドイツ)らにも同じく有効である。

 今回の決定でASOは、5月に開催される第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d’Italia)の招待リストからアスタナを締め出したジロ・デ・イタリアの大会主催者RCSスポルト(RCS SPORTS)を激しく非難した国際自転車競技連合(International Cycling Union:UCI)のパット・マッケイド(Pat McQuaid)会長と真っ向から衝突することが予想される。

 アスタナは2007ツール・ド・フランスでは大会期間中に撤退を余儀なくされ、さらに2007年9月に行われた第62回ブエルタ・ア・エスパーニャ(62nd Vuelta a Espana)の出場も一連のドーピングスキャンダルのため叶わなかった。

 前アスタナのリーダーを務めていたアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)は、2007ツール・ド・フランスの大会期間中にドーピング検査で陽性反応が検出され、チームを解雇された。また同大会期間中にアンドレイ・カシェチキン(Andrey Kashechkin、カザフスタン)とマティアス・ケスラー(Matthias Kessler、ドイツ)の二人からも陽性反応が検出されていた。

 ドーピングに汚染された2007シーズンのアスタナだが、チームの変革に着手しており、これまでの不正行為を一掃することを誓っている。

 ASOは声明文の中で「アスタナが2008シーズンをスキャンダルや疑惑なしで過ごしたとしても、我々は警戒を怠りません。その時点で将来のレースについての最終的な結論を検討します。これまで一流のレースチームはメジャーな大会には自動的に招待されるべきでしたが、RCSスポルトやASOを含む主要な大会主催者は、国際自転車競技連合との長引く論争からこれまでのようにツアーカレンダーの予定通りに従うことはありません」とコメントを発表している。