【2月4日 AFP】(2月5日 写真追加)イランは4日、同国初の国産人工衛星を打ち上げるための宇宙センターを開設し、イラン北部セムナン(Semnan)州の砂漠地帯にある同宇宙センターからは、開設を記念してロケット1基が発射された。これによりイランは、西側による宇宙計画支配に対抗する新たな一歩を宣言した。

 イラン国営通信(IRNA)によると、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は開設式で、「衛星の開発と打ち上げは大きな、そして重要な事業だ」と述べた。

 同宇宙センターは観測衛星「Omid (希望)」の打ち上げ拠点となるほか、地下管制室やロケット発射台などが設置されているという。IRNAは「イラン共和国初の国産衛星Omidは低軌道に投入される予定」で、3月20日に始まるイスラム暦の来年中に打ち上げられる予定だと伝えた。またIRNAは宇宙センター開設の目的は、探査ロケット打ち上げだとも報じた。

 欧米がイランの核兵器開発を懸念する中、イランが独自の宇宙開発を進めることは、核保有能力獲得への強い意思を想起させるものだと捉えられている。

 イランは2005年2月に初の宇宙ロケット打ち上げ実験に成功している。イランの打ち上げロケットは1300キロから1600キロの射程距離を持つ中距離弾道ミサイル「シャハブ3(Shahab 3)」を改良したものとされる。また2007年2月には研究目的で、初の宇宙ロケット打ち上げを行ったと発表した。4日の打ち上げはそれ以来2回目となる。(c)AFP