【1月21日 AFP】国家元首の権限を暫定委譲されているキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)第1副議長(76)は20日、元首にあたる国家評議会議長を決定する国会を2月24日に召集すると発表した。キューバ建国以来半世紀で初めて、療養中のフィデル・カストロ(Fidel Castro)議長(81)以外の人物が選出される見通しが強くなっている。

 キューバでは20日、人民権力全国会議(国会)選挙の投票が行われた。立候補者は定数と同数のため総選挙は事実上の信任投票で、全員の当選が確実とみられる。2006年7月31日に腸の手術を受けて以来18か月近くにわたり実弟の第1副議長に権限を暫定委譲しているカストロ議長も議員への再選は確実視されている。

 今後、国会で議員の中から国家評議会メンバー31人を選出し、元首にあたる議長を決定するが、キューバではカストロ氏が議長職に復帰するか退任するかをめぐり、過去数か月さまざまな憶測が飛び交っている。政権内ナンバー2で国防相も兼任する実弟のラウル・カストロ第1副議長が正式に議長に就任するとの見方がある一方で、政権中枢の別の人物が昇進し、カストロ独裁に事実上終止符が打たれるとの見方もある。いずれにせよカストロ議長の政治的影響力が保たれることを疑う声は少ない。

 キューバ国営テレビによるとカストロ議長は総選挙の投票では不在者投票を行ったという。

 1959年にキューバ革命を通じて政権を掌握したカストロ議長は自身の進退についてこれまで明確な見通しを示していない。最近では1年ほど前に比べ健康回復の兆しもみられるが、キューバ専門家の多くは幅広い権限をもつ議長職にカストロ氏が完全復帰することはほぼないとみている。

 専門家の間ではほかにも、カストロ議長は革命指導者として名目上の国家元首にとどまり舞台裏で指導を続ける一方、日常業務は他の共産党幹部が引き継ぐという見方や、2月24日以前に完全に引退する可能性などが取りざたされている。(c)AFP/Isabel Sanchez