【1月16日 AFP】ドイツのハイデルベルグ大学(Heidelberg University)図書館は15日、イタリアの画家レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の名画「モナリザ(Mona Lisa)」のモデルが、通説通り、イタリア・フィレンツェ(Florence)の商人の妻リザ・デル・ジョコンド(Lisa del Giocondo)であることを裏付ける証拠を発見したと発表した。

 同図書館のVeit Probst館長によると、同図書館の書物の中に、フィレンツェの役人アゴスティノ・べスプッチ(Agostino Vespucci)が証拠となる記述を残していたことを、研究員のArmin Schlechter氏が発見したという。

 この記述の内容はモナリザのモデルがリザ・デル・ジョコンドだという通説を決定付けるものであり、記述の1503年の日付となっていることから、「モナリザが描かれた時期がより正確になった」と、Probst館長は話している。

 これまで、モナリザのモデルがリザ・デル・ジョコンドだとする唯一の証拠は、1550年にイタリア人の伝記作家ジョルジオ・バザーリ(Giorgio Vasari)によるダビンチの伝記の中の記述だけだった。この中で、バザーリはモナリザが1503年から1506年の間に描かれたと指摘している。

 Probst館長は、「レオナルド・ダビンチは、モナリザについて自身の記述や素描などを一切残していない。バザーリは人からの伝聞を取り上げる傾向があることで知られていたため、モナリザのモデルをジョコンド夫人とする通説はこれまで疑問視されていた」と語った。

 モナリザは現在、フランスの国有財産としてパリ(Paris)のルーブル美術館(Louvre Museum)に展示されている。(c)AFP