【1月15日 AFP】バングラデシュの1歳の結合双生児の1回目の分離手術がオーストラリア、メルボルン(Melbourne)の病院で成功した。ケアに当たっている慈善団体が15日明らかにした。

 2回目の手術を6週間後に控えており、今後6か月間で3回から4回にわたり手術を行う見通し。

   トリシュナ(Trishna)ちゃんとクリシュナ(Krishna)ちゃんは、頭部でつながった結合双生児。脳は結合していないが、分離手術を受けなければ、生き延びることは不可能と診断されている。

 前週行われた1回目の手術を担当した医師団は、分離手術は不可能ではないが、極めて困難だろうとしている。報告によれば、患者の脳の血管が結合しているため、小柄なほうの患者がすでに心臓疾患を患っている状態だという。

 医師団の1人は地元紙のインタビューで、「結合双生児の多くは手術を受ける前に亡くなってしまう。幸い、今回の患者は1歳まで持ちこたえたが、1人が亡くなればもう1人も亡くなるだろう」とし、難しい手術だがほかに選択肢がないことを明らかにした。

 2006年12月生まれのトリシュナちゃんとクリシュナちゃんは、生まれてすぐに母国の児童養護施設に預けられ、前年、オーストラリアにやってきた。

 現在はメルボルンの小児専門病院「Royal Children's Hospital」で暮らしており、分離手術成功後は、郊外にあるリハビリセンターで過ごすことが決まっている。

 先の慈善団体は医療費としてこれまでに25万豪ドル(約2400万円)の募金を集めたが、今後さらに15万豪ドル(約1450万円)が必要で、これまでに10万豪ドルが(約950万円)集まったとしている。 (c)AFP