【1月15日 AFP】韓国最大財閥のサムスングループ(Samsung Group)が賄賂(わいろ)用に巨額の裏金を運用していたとされる問題で15日、特別検察官チームがソウル(Seoul)中心部のグループ本社を家宅捜索した。

 サムスン関係者も家宅捜索が行われていることを認めたが、それ以上のコメントは避けた。グループ広報からのコメントは得られなかった。

 捜索を受けたのは李健熙(イ・ゴンヒ、Lee Kun-Hee)会長直轄の子会社の統括拠点。14日には李会長や経営幹部の自宅にも家宅捜索が入った。

 サムスンの裏金疑惑は、同社の法務責任者だった人物の告発で発覚した。サムスンが数百万ドル規模の裏金を作って検察および政府関係者への賄賂やマスコミ関係者への金品供与に充てていたとの告発を受け、特別検察官チームが前週、捜査を開始した。

 特別検察官チームの設置はサムスンおよび同国の失墜につながるとして政府が反対していたが、11月に全党議員の賛成で決議された。

 捜査は最大で105日かけて行われ、同族経営財閥が行っているとされる不正行為摘発に向けた韓国の決意が試されることになる。

 圧倒的な影響力を誇るサムスンは、贈賄の事実を否定している。グループの資産総額は2808億ドル(約30兆円)相当に上り、2007年の輸出額は663億ドル(約7兆円)で、韓国からの輸出総額の20%以上を占めた。

 グループ主力企業で世界最大の半導体メモリメーカーであるサムスン電子(Samsung Electronics)は同日、10-12月期決算を発表。売上高17兆4800億ウォン(約2兆円)、利益は2兆2120億ウォン(約2500億円)となった。(c)AFP