【1月12日 AFP】米空軍が保有する主力戦闘機F15の初期型にあたるA型からD型の40%前後が構造的欠陥を抱えていることが明らかになった。米空軍が10日、調査結果を明らかにした。長期的に米軍の戦略に支障をきたすと懸念が持ち上がってきた。

 前年の11月2日、米国ミズーリ(Missouri)州での空中戦訓練中のF15戦闘機1機が空中分解により墜落したことを受け米空軍は前年11月、保有する665機全ての同戦闘機の飛行を停止させ、2か月にわたり検査を行ってきた。

 10日の発表によると、A型からD型の合計295機が飛行を許可された一方、9機の縦通材(ロンジロン)と呼ばれる胴体の骨に当たる部分にクラックが見つかった。さらに調査した機体のおよそ40%で、少なくとも1つのロンジロンが設計の仕様に合致しなかったという。11月の空中分解はロンジロンの破損が原因と見られている

 現在までF15戦闘機の約90%の検査が終了しているが、空軍は構造的欠陥を抱える100機以上について、欠陥を修正するか退役させるかの決断を迫られている。

 バージニア(Virginia)州のラングレー(Langley)空軍基地航空戦闘軍のThomas Crosson少佐によると、F15戦闘機は2009年から退役が始まる予定だが、ロンジロン1つの交換にはおよそ20万ドル(約220万円)の費用がかかるという。

 長らく主力戦闘機の座にあったF15戦闘機は、製造から平均25年を経ている。F15戦闘機のなかでは最新のF15E型はイラクやアフガニスタンにも投入されているが、旧型のF15AからF15Dは現在、主に米本土防衛に当たっている。

 F15戦闘機は現在、徐々に最新戦闘機F22へ置き換えられている。高速でステルス性を持つF22はF15より高額。空軍はこれまで調達が承認された183機では兵力の不足を補えないとし、政府に対しF22戦闘機381機の調達を強く求めている。(c)AFP