【1月9日 AFP】(一部修正)ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は9日、中東歴訪を開始し、最初の訪問国であるイスラエルに到着した。ホルムズ海峡でのイランによる挑発で新たな緊張を抱える中、同大統領は到着後、中東和平実現のための新たな機会を期待していると述べた。
 
 日程は8日間で、最初のイスラエルとパレスチナ自治区はブッシュ氏にとって米大統領として初の訪問となる。任期最後の年に当たる今年、同氏は政情不安定な中東地域の外交政策で功績をあげたい意向だ。

 ブッシュ大統領は日本時間午後19時、テルアビブ(Tel Aviv)のベン・グリオン(Ben Gurion)空港に大統領専用機で到着。イスラエルは最も近しい同盟国の首脳を、高官数十人と盛大な歓迎式典で出迎えた。

 シモン・ペレス(Shimon Peres)イスラエル大統領は歓迎の辞の中で、イランや同国と連帯関係を持つイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)、シーア派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)などの「狂気を止める」ため、ブッシュ大統領に支援をと呼びかけ、またイランに対し、イスラエルの不屈の自衛力を過小評価すべきではないと警告した。
  
 ブッシュ大統領は「聖地(Holy Land、パレスチナ)」の和平実現へ向けた新たな機会を期待していると述べ、今年は中東和平にとって「真の機会」となると述べたペレス氏に同調した。

 昨年11月に再開した中東和平プロセスについて、ブッシュ氏はパレスチナ国家建設を視野に入れ、2009年1月の退任前までに進展させることを誓った。

 米国大統領のイスラエル、パレスチナ自治区訪問は9年ぶり。ブッシュ氏は同日、イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相、ペレス大統領と会談し、翌10日にはヨルダン川西岸(West Bank)ラマラ(Ramallah)でマフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)議長と会談する予定。その後、1月16日までの間にクウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアといった原油豊富な湾岸地域の同盟国を訪れる。(c)AFP/Mehdi Lebouachera