【1月9日 AFP】中国北部で蛍光色を発するよう遺伝子操作されたブタが、同じく「蛍光性の」子ブタを出産し、遺伝子操作による特質がさらに遺伝されうることが証明された。

 8日の国営新華社(Xinhua)通信によると、中国北部で蛍光の子ブタを出産したのは2006年12月、受精時に胚に蛍光性の緑色のたんぱく質を注入されたブタ3匹のうちの1匹。3匹は紫外線の下に置かれると、緑色に光る。

 このうち1匹を通常のブタと交配させたところ、生まれた11匹の子ブタのうち2匹が親ブタと同じように光る特質を受け継いだ。

 黒竜江(Heilongjiang)省ハルビン(Harbin)にある東北農業大学(Northeast Agricultural University)の研究チームを率いるLiu Zhonghua教授は、「紫外線の下では、2匹の子ブタの口や足、舌が緑色に光る。細胞核移植によって遺伝子組み換えを行ったブタを繁殖させる技術が成熟したといえる」と語った。

 台湾の研究チームも2006年1月に蛍光ブタの作製に成功しているが、李教授は今回の子ブタの誕生は、遺伝子操作による特質が親子2代にわたって継承されることを証明したと述べ、科学的、医療的可能性を広げると期待している。「この技術により、素晴らしい遺伝子操作ブタの繁殖が約束され、人間の臓器移植に適した特別なブタの繁殖さえも将来期待できる」

 李教授のチームは、これまでに米国、韓国、日本のチームなどが動物のクローニングに使用してきた体細胞の核移植技術を使ったと、新華社通信は報じている。(c)AFP