【1月7日 AFP】(一部訂正)悪役をこなす実力派俳優として地位を確立してきた、俳優ジョン・ヴォイト(Jon Voight)が、新作『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記(National Treasure: Book of Secrets)』でヒーローを演じる喜びをAFPのインタビューで語った。「本当に楽しい冒険映画だよ。世界規模のパズルを楽しんでもらえるだろう」

 しかし68歳のベテラン俳優ヴォイトは、同映画でニコラス・ケイジ(Nicolas Cage) と親子役を演じる機会を得たことを喜ぶ一方、自身の長い俳優人生を作り上げた「悪役」にも喜んで取り組むと言う。
「私が役について不満を言うことは決してないよ。ハリウッドで生き残って活躍する俳優でいることが出来て、幸せなんだ」

 映画『帰郷(Coming Home)』で負傷した退役軍人の役を演じたヴォイトは、1979年にアカデミー賞最優秀主演俳優賞を受賞。1969年の『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)』ではジゴロ志望のテキサスの青年を演じ、共演のダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)と共に主演男優賞にノミネート。また1985年の『暴走機関車(Runaway Train)』でも主演男優賞にノミネートされている。

 近年では、映画『ヒート(Heat)』、『ミッション:インポッシブル(Mission: Impossible)』、『エネミー・オブ・アメリカ(Enemy of the State)』での、徹底した悪人や怪しげな権威者の役が記憶に新しい。女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)の父としても知られている。

 「主役を演じる時は、観客が親近感を持てるような、完璧でないキャラクターを作るようにしてきた」

 ヴォイトは自身が出演する映画の成功について、どこまでも謙虚に語る。
「才能だけで出来るものではない、映画作りはチームワークだ。『真夜中のカーボーイ』で、ダスティンと私はあるシーンを良くするために苦労した。3時間監督と話し合っても全く撮影が進まなかった。ついには脚本家のウォルド・ソルト(Waldo Salt)が撮影現場に呼ばれたよ。そしてウォルドはこう言った。『ジョー(ヴォイトの役)はラッツォ(ダスティンの役)の元を離れたいんだ。何故なら自分1人でやっていけると思っているからだ』と。そのシーンで必要なことは至ってシンプルだったんだ。エゴを捨てなかったら、決して最高の映画を作ることは出来ないはずだよ」

 現在は、コリン・ファレル(Colin Farrell)やエドワード・ノートン( Edward Norton)と共演する犯罪映画『Pride and Glory』、心理ドラマ『The Uninvited』の2本の出演映画が進行中。(c)AFP