【1月6日 AFP】(1月6日 一部更新、写真追加)旧ソ連のグルジアで5日、繰り上げ大統領選の投票が行われ、出口調査でミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)前大統領(40)の勝利が濃厚となった。しかし、2位の対立候補も勝利を宣言、大規模な抗議を呼び掛けた。

 出口調査によると、サーカシビリ前大統領は得票率53.8%を獲得、過半数を超え、決選投票にもつれ込むことなく当選する可能性が高まった。野党候補の実業家ガチェチラゼ(Levan Gachechiladze)氏は、サーカシビリ氏に次ぐ28.3%を獲得している。

雪に覆われた首都トビリシ(Tbilisi)には当選を確信した支持者たちが集まり、車の窓から赤と白のグルジア国旗を掲げながらクラクションを鳴らして「勝利」を祝った。

 親欧米派のサーカシビリ氏は「国際基準に従って実施された独立機関による出口調査で、第1回投票でのわれわれの勝利が示された」と宣言した。

■対立候補も勝利宣言、野党デモ再燃か

 しかし同日、野党候補の実業家ガチェチラゼ(Levan Gachechiladze)氏も勝利を宣言。政治的混乱が再燃する恐れも出てきた。今回の選挙は、11月の野党による抗議集会に対する弾圧に内外の批判が集まり、事態打開のために1年前倒しで実施された。

 ガチェチラゼ氏は出口調査の結果は「不正だ」と主張した。「ほとんどの選挙区で実際にはわれわれが勝利している」と述べ、勝利集会のため6日にトビリシに集結するよう「すべてのグルジア」に呼び掛けた。

 選挙管理委員会のLevan Tarkhnishvili委員長によると、豪雪のため公式結果の発表が遅れている。欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)の国際監視団は、選挙の公正性について日本時間6日午後8時に報告を発表する予定となっている。(c)AFP/Sebastian Smith