【1月5日 AFP】英国の102歳の男性が5日、新天地で妻と新しい人生を始めるため、英国のサウサンプトン(Southampton)を出航しニュージーランドに向かう。英国で最も高齢の移民となる。BBCテレビが伝えた。

 イングランド南部ハンプシャー(Hampshire)に住むエリック・キングターナー(Eric King-Turner)さんとニュージーランド出身の妻ドリス(Doris)さん(87)夫妻は、冒険とドリスさんのホームシックの癒しを求めてニュージーランドの南島(South Island)の都市ネルソン(Nelson)に移住することを決意した。

 エリックさんは元歯科医で、第2次世界大戦中には英国海軍艦船インビシブル(HMS Invincible)の乗組員だった。「わたしはたぶん放浪するのが性に合っているのでしょう。ニュージーランドで暮らすのも楽しいのではないかと、そう思ったわけです」と快活に話した。

「イングランドのすべてを見尽くしたわけでもなく、まだこちらで行きたかった場所もたくさんあります。けれども、(欧州)大陸と地中海のいろいろなところを見ましたし、妻がちょっとホームシック気味なものですから」(エリックさん)

「私は1日1日を大切に生きなければなりません。明日の朝というものをしっかり見据えないといけません。102歳にもなると、夜ベッドに行ったとしても、翌朝目を覚ますとは限らないのですから。死を覚悟してはいますが、死ぬ準備は全くしていません」とジョーク交じりに話した。「105歳になった時に、『102歳の時に世界の反対側に引っ越していればよかった』と思いたくないのです」

 夫妻はいずれも先の連れあいを亡くしており、13年前に再婚した。再婚前から名字が同じだった2人は、ニュージーランドのキングターナー家が祖先の系譜をたどるために英国を訪れたときに知り合ったという。(c)AFP