【1月5日 AFP】大統領選挙の結果をめぐり暴動が続くケニアで、同国の野党は4日、大統領選の再選挙要求を発表した。これに対し政府は暴動鎮圧のために多数の警官隊を出動させ、一歩も引かない構えを示している。一方、米国は事態打開のために、アフリカ担当の国務次官補を特使として派遣すると発表した。

 大統領選に敗れた有力野党候補のライラ・オディンガ(Raila Odinga)氏が党首を務める、オレンジ民主運動(Orange Democratic MovementODM)は3か月以内の再選挙を要求すると発表した。

 これに対し、政府の報道官はこの要求を脅迫だとしてはねつけ、暴動の中止を訴える一方で、「大統領は再選を命じる裁判所命令には従う用意があり、その場合は政府は憲法に基づき再選挙を行う」として、裁判所による命令が出ればやり直しの可能性もあるとの見解を示した。

 ケニアでは、2007年12月27日の投開票の結果、現職のムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)大統領の再選が決定した。しかし、オディンガ氏側から開票結果の不正操作疑惑が指摘され、暴動に発展。部族間の対立も相まって、これまでに350人以上が死亡している。

 この事態に対し、ノーベル平和賞受賞者でもある南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)大主教が事態の調整にあたっているが、国際社会は効果的な解決策を示せていない。米国は、アフリカ担当のジェンダイ・フレーザー(Jendayi Frazer)国務次官補を特使として派遣し、5日から事態打開に向けてキバキ、オディンガ両氏を初めとする関係者と会談を行うとしている。(c)AFP/Jean-Marc Mojon