【1月4日 AFP】(一部修正)7度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)受賞を誇るロジャー・クレメンス(Roger Clemens)投手が、米CBSテレビで6日に放送予定の「60ミニッツ(60 Minutes)」のインタビューで運動能力向上薬の使用を否定したことが明らかになった。3日にCBSが放送予定のインタビューの一部を公表した。

 メジャーリーグにおける薬物使用を調査していたジョージ・J・ミッチェル(George J. Mitchell)元上院議員により提出された報告書に約80選手の1人として名前の挙がったクレメンスは、これまでに自身の元トレーナーのブライアン・マクナミー(Brian McNamee)により禁止薬物を使用していたと告発されていた。

 マクナミー氏からこれまでに薬物の提供を受けたことがあるか?との質問に対してクレメンスは「リドカイン(lidocaine)とビタミンB12(vitamin B-12)。リドカインは関節の痛み止めのため、B12は今でも服用している」と痛み止めとビタミン剤のみの提供は認めたが、マクナミー氏の告発を「ばかげている」と非難。さらには「一度も禁止薬物を使用したことはない」と、禁止薬物の使用を否定した。

 クレメンスの発言を受けたマクナミー氏側は、クレメンスに対して訴訟を起こす用意があることを明らかにした。

 マクナミー氏の弁護士は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対し「マクナミー氏には自身を守る権利がある。クレメンスがマクナミー氏を嘘つき呼ばわりするのなら、クレメンスを訴えることになる」と語っている。

 マクナミー氏側によりクレメンスが訴えられた場合には、クレメンスは裁判所へ出廷することになり、宣誓を行った上でステロイド(steroid)やヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone:HGH)の使用について証言を迫られることになる。

 マクナミー氏側の反論を受けたクレメンス側の弁護士は60ミニッツのインタビューについて「ロジャーは真実を語った。ただそれだけのことだ。マクナミー氏には番組を見るよう提案する」とコメントした。

 マクナミー氏はこれまでに、クレメンスとアンディ・ペティット(Andy Pettitte)に対してステロイドやHGHを提供したと発言。クレメンスがトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)とニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)に所属していた1998年から2001年の間にそれらを使用していた、とする告発を行っている。

 告発の際にクレメンスと共に名前が挙がったペティットは、すでに運動能力向上薬の使用を認めている。(c)AFP