【1月1日 AFP】英国国教会のローワン・ウィリアムズ(Rowan Williams)カンタベリー大主教は12月31日、自身の新年のメッセージを動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)に掲載し、環境問題への意識について説いた。

 動画は英南東部にあるカンタベリー大聖堂(Canterbury Cathedral)とその近くのリサイクルセンターで撮影されている。大主教がユーチューブに動画を掲載するのはこれが初めてで、若い世代にもメッセージが届くようにとの試み。ユーチューブにはエリザベス女王(Queen Elizabeth II)もクリスマスのメッセージを投稿している。

 動画の中で大主教は、「わたしたちは非常に多くの物を使い捨てであると考えており、少し古くなっただけでもすぐに最新のものに買い換えようとする。わたしたちは、人間や、人間関係までもが使い捨てであると考えるようになってしまうのだろうか」と問いかけ、「わたしたちは変化に追いつくことにそれほどまでに固執し、安定の必要性という意識を失っているのだろうか」と加える。

 そして、「わたしたちは、将来のことについて現実的に考えることなどほとんどない。大量消費と、短期主義的なこの文化は、わたしたちが考えている以上にもろいものだ」と説き、「より安全で安定した未来のために、どれだけの投資が必要なのであろうか」と問いかけた。

 その上で、「神は浪費などしない」と述べ、人の命は使い捨てではないと語った。

 大主教は、「神は誰をも役立たずであるなどとは考えない。人が生誕してから死を迎えるまでのいつであろうとも。たとえその人が成功していなくとも、たとえ生産的でなくとも」と述べ、「神が望む命とは、消費と使い捨ての文化に屈したり、そこに定着したりするようなものではない。人であろうと物であろうと、である」と説いた。

 大主教のメッセージは英国放送協会(BBC)でも放映される予定。(c)AFP