【12月30日 AFP】ドイツ・ベルリン動物園(Berlin Zoo)で母クマから育児放棄されたオスのホッキョクグマ・クヌート(Knut)に、数百万ドルの出演料でハリウッド映画に出演する話が舞い込んでいることが29日分かった。地元紙B.Z.が報じた。

 同動物園のベルンハルト・ブラスキービッツ(Bernhard Blaskiewitz)園長が、米映画プロデューサーのアッシュ・R・シャー(Ash R. Shah)氏からクヌートの映画出演の提案があり、現在交渉中だと語ったもの。

 ブラスキービッツ園長は、「ハリウッドがクヌートの映画出演に興味を示してくれてうれしいが、契約書にサインするかはまだ分からない。細かい点でいくつか解決されなければならない」と同紙に話している。

 同紙によると、Garfield Gets Real(2007年)などのプロデュースなどに携わったシャー氏は、次作映画へのクヌート君出演の契約頭金として園に、10万ドル(約1130万円)を提示したという。さらに、今後2年間の出演料は、500万ドル(約5億6000万円)に上るという。

 動物園関係者はこの契約が成立した場合、クマ用の獣舎の拡大と園の主要施設の向上に充てるとしている。

 クヌートは母クマの育児放棄により母親の飼育さくから「救助」されて以来、数多くの話題を振りまいてきた。メディアに取り上げられることも多く、満1歳を祝う誕生パーティーでは魚などで作られた巨大なケーキが贈られ、その様子はテレビで生放送された。

 体格の成長とともに、可愛らしく思わず抱きしめたくなるような様子も色あせはしてきたが、クヌートは今や誰もがよく知る名前となった。英娯楽雑誌Vanity Fairの表紙を飾り、世界中でクヌートをイメージしたぬいぐるみが売られている。

 ドイツ政府もクヌートのロゴを地球温暖化対策のキャンペーンで使用してきた。

 ベルリン動物園はクヌートへの関心が大きく寄与して、今年の売り上げは例年並となった昨年に比べ、約1000万ユーロ(16億5000万円)増加すると予想している。(c)AFP