【12月20日 AFP】(23日 一部修正)日本政府が軍事的により積極的な役割を模索する中、石破茂(Shigeru Ishiba)防衛相は地球上の脅威以上の懸念を心に抱いているようだ。

 20日の記者会見でUFO論議について質問された石破氏は、防衛省としてではなく個人の見解として「存在しないと断定できる根拠がない。そういう未確認飛行物体、それを操る生命体が存在しないと断定しうる根拠はない」と述べ、平和憲法の下で「宇宙人」に自衛隊がどう対処できるかに関する自身の考察を披露した。

■自衛隊はUFOと戦えるのか?

 UFOの存在を否定しない発言をした現閣僚は、町村信孝官房長官に続き、石破氏が2人目。石破氏は防衛関連の知識に精通していることから「防衛オタク」と呼ばれることもあるが、UFO論議に続いて映画『ゴジラ(Godzilla)』で自衛隊が派遣される点も取り上げ、「この法的根拠は何かという議論があまりされない」と述べて報道陣の笑いを誘った。

 第2次大戦後、1947年に施行された日本国憲法下で、自衛隊が戦闘活動に参加したことは一度もない。しかし、日本政府は国際的な軍事行動において段階的により大きな役割を担うことを追求してきた。最近では米国主導の作戦を支援するため、アフガニスタンとイラクに自衛隊を派遣している。

 石破氏はUFO襲来に備え、いくつかの可能性について考えたことを明かし「(UFOが)『地球の皆さん、仲良くしよう』と言って降ってきたときに、それはわが国に対する急迫不正な武力攻撃でも何でもない。また、何らかの意思が伝達されたときに何を言っているかよく分からないという場合、どのようにわが方の意思を伝達するのだということもある。色んな可能性は考えておくべきものだ。省として取り組むことは全然ないが、私自身として一体どうなるのかは考えてみたい」と語った。

 UFOに関しては18日、閣議決定された「存在を確認していない」とする政府答弁に対し、政府の広報担当である町村官房長官が記者会見で「個人的にはUFOは絶対いると思っている」と「異例の」異議を唱えた。(c)AFP