【12月17日 AFP】2008年の米大統領選の一部の候補者の間では、携帯電話が生活に深く浸透している若年層の取り込みに、携帯電話によるテキストメッセージが果たす役割が拡大しているようだ。

 民主党の主要3候補、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)、バラク・オバマ(Barack Obama)、ジョン・エドワーズ(John Edwards)各氏は希望する支持者に対し、ショートメッセージサービス(SMS)を利用して最新情報を配信している。

 米国では電子メール、ウェブサイト、ブログ、オンラインビデオなどさまざまな媒体がすでに選挙戦に利用されているが、政治評論家は、SMSが開始されてから何年もたつにもかかわらず、その選挙戦への利用はあまり進んでいないと指摘する。

 独立系調査機関Insight Expressの統計によると、携帯電話普及台数約2億4300万台の同国では2006年、1580億通のテキストメッセージが送信された。このうち、43%が18-24歳、10%が55-64歳のユーザーによるものだった。

 米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)政治学・民主主義・インターネット研究所(Institute for Politics, Democracy and the InternetIPDI)のジュリー・ジャーマニー(Julie Germany)副所長は「SMSは非常に有益な伝搬ツールになる可能性がある」と指摘する。ただ、テキストメッセージの利用は「欧州や南米、アジアのようには広まっていない」という。

■投票率アップにも有用

 米プリンストン大学(Princeton University)で選挙とテクノロジーの関係を研究する大学院生、アーロン・シュトラウス(Aaron Strauss)さんは、近年投票率の低い若年層の取り込みに、抜け目のない候補者はSMSを利用することを考えていると指摘する。シュトラウスさんの研究によると、選挙前に選挙の実施を知らせるテキストメッセージを受け取った人の投票率は、受け取らない人のそれを4%上回るという。

 一方、アナリストらは米国ではまだSMSを利用した選挙活動を行う地盤が固まっていないと指摘する。米国人は電子メールをより頻繁に利用する上、テキストメッセージの送信には1通当たり10-15セントかかるため、テキストメッセージをあまり利用しないというのだ。

 これまでのところ、共和党候補者はまだテキストメッセージを選挙活動に利用していないが、環境団体や妊娠中絶を議論する団体が、有権者の票を引き出すために利用している。

 ジャーマニー氏は、テキストメッセージが選挙対策本部から大勢に送信されるのではなく、「メッセージが友人から友人へ、個人から個人へ伝わり、それが即行動につながれば最も効果的」と指摘する。

 選挙候補者に助言する携帯電話市場コンサルタントのジャスティン・オバーマン(Justin Oberman)氏は、テキストメッセージを利用することで、「電子メールや従来の方法では接触できなかった人のうち約10%の人にも接触することができるようになる」とし、現段階ではテキストメッセージは必須のツールではないが、将来的にはそうなると指摘する。(c)AFP/Rob Lever