【12月14日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)政権時代の大量虐殺事件を裁くカンボジア特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of CambodiaECCC)は14日、同法廷が身柄を拘束しているキュー・サムファン(Khieu Samphan)元国家幹部会議長(76)から拘束は不当だとして異議申し立てがあったことを明らかにした。

 特別法廷によると、キュー・サムファン議長の弁護人を務めるフランス人弁護士のジャック・ベルジェ(Jacques Verges)氏と同僚のカンボジア人弁護士Say Bory氏が同日午前、拘束を不服とする異議申立書を同法廷に提出したという。

「戦争犯罪」および「人道に対する罪」で11月20日に特別法廷により逮捕、訴追されたキュー・サムファン議長は、同法廷が訴追した旧ポル・ポト政権幹部5人のなかで、一番最後に身柄を拘束された人物となった。

 特別法廷の捜査判事は、同議長は旧ポル・ポト政権による犯罪行為を最高幹部として支援し、法的行為として承認したと主張。また、同議長を保釈した場合、カンボジア国外への逃亡をはかるか、特別法廷の証人らを脅迫する恐れがあるとしている。

 しかし、キュー・サムファン議長は、自身は政権の中心派閥に属しておらず、政治的決定権もなかったとして、虐殺への関与を否定している。

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