【12月12日 AFP】トーマ・バンガルテル(Thomas Bangalter、32)とギ=マニュエル(Guy-Manuel de Homem-Christo、33)の2人による、フランスが生んだエレクトロニカ・デュオ、ダフト・パンク(Daft Punk)。1997年のデビューから10年を経た2人がついに、30代前半にして新世代エレクトロ・ミュージックのゴッドファーザーになろうとしている。

 AFPのインタビューに応じたバンガルテルは、新世代のミュージシャンについて「100%自由なかたちですばらしい音楽を作り上げているね。でも、彼らはきみたちにインスパイアされたんじゃないのって、よく言われるよ」と語った。

 ダフト・パンクは97年、アルバム『ホームワーク(Homework)』でデビュー。90年代後期のエレクトロニカ・ムーブメント、「フレンチ・タッチ」の火付け役となり、母国のエレクトロニカ・シーンを世界的に有名なものにした。
 
 フレンチ・ハウス・シーンを彩るバンドはほかに、スターダスト(Stardust)、カシアス(Cassius)といった有名どころがいる。シーンをけん引してきたダフト・パンクは、これまでにアルバム3枚などを発表し、全世界で600万枚を売り上げてきた。

 その独自のサウンドは、ドイツのデジタリズム(Digitalism)やボーイズ・ノイズ(Boys Noize)、カナダのマスタークラフト(MSTRKRFT)、オーストラリアのミッドナイト・ジャガーノーツ(Midnight Juggernauts)、そしてフランスが生んだ新しきエレクトロ・ヒーロー、ジャスティス(Justice)に受け継がれている。

 6月に母国パリ(Paris)で行ったライブを、アルバム『ピラミッド大作戦(Alive 2007)』として発表したばかりのダフト・パンクだが、このライブでは時の流れを否応なく感じさせられたに違いない。会場に詰めかけた大勢のファンの一部は、ファースト・アルバム『ホームワーク』発表時はたったの5歳だったのだ。

「変な感じだよ。自分たちが年を取ったのを感じるね」とバンガルテルは笑った。

■ダフト・パンクが目指す「芸術的進化」

 だが自分たちの影響を受けて新たなエレクトロ・バンドが次から次へと生まれている現状を前に、バンガルテルは、ダフト・パンクはこれからも進化しつづけると断言する。バンガルテルによれば、ダフト・パンクはすでに、単なるエレクトロ・デュオから「アート・プロジェクト」の域に達しているという。
 
「たしかに音楽は、僕たちのプロジェクトで常に比較的重要な位置を占めている。でも目指すところは、単なる音楽を超えた芸術的進化なんだ」

 実際、ダフト・パンクはこれまでにも音楽とアートとポップカルチャーの融合を何度となく試みてきた。そのことは、2人が公の場に現れるときに必ずかぶるロボット・マスク、映画『エレクトロマ(Electroma)』、そして、ヒトとマシンの関係を探ってきたその姿勢に、如実に表れている。

 ライブもまた視覚的なスペクタクル要素に満ちている。最新ツアーでは、マスクをかぶったバンガルテルとギ=マニュエルはレーザー光を浴びながら、ビートに身をゆだねる数千人のファンの中央に据えられたきらびやかなピラミッドの上でパフォーマンスを繰り広げる。

 この最新ツアーで2人は、年末に日本とオーストラリアも訪れることになっている。

「2人とも、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)やポップアート、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)から常に影響を受けているんだ。そうしたアーティストやムーブメントが、音楽に不可欠なビジュアル要素を作り上げてくれたんだよ。ダフト・パンクの用いるビジュアルは、かつてはマーケティング戦略の一部とみなされることもあった。でも今では、アート・プロジェクトの一環として認められるようになっているね」

 ダフト・パンクは今年、最新ライブアルバムとDVDを発表した。ライブアルバムとなった6月のパリ公演は一部の音楽評論家の間で、2007年の国内ベスト・ライブ・パフォーマンスと評されている。また、2体のロボットが人間になるまでの冒険物語を描いた映画『エレクトロマ』をDVD化した同名作品は、フランスのカンヌ映画祭(Cannes film festival)にも出品された。(c)AFP/Paul Ricard

ダフト・パンクの日本語公式HP