【12月10日 AFP】南米7か国が世界銀行(World Bank)や国際通貨基金(International Monetary FundIMF)に対抗して開設する開発銀行「南部銀行(Bank of the South、バンコ・デル・スル)」の調印式が9日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)で6か国首脳が出席して開かれた。

 調印式には、アルゼンチンのネストル・キルチネル(Nestor Kirchner)、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)、パラグアイのニカノル・ドゥアルテ・フルトス(Nicanor Duarte)、エクアドルのラファエル・ビセンテ・コレア・デルガド(Rafael Correa)、ボリビアのエボ・モラレル(Evo Morales)、ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)各大統領が出席した。ウルグアイのタバレ・バスケス(Tabare Vazquez)大統領は欠席した。

 新銀行の創設はチャベス、キルチネル両大統領が主導してきたもので、IMFや世銀が南米に及ぼす「悪影響」からの脱却を図ることを目的としている。

 ブラジルのルラ大統領は、同銀は「インフラ整備、科学技術などの主要な経済分野に出資し、地域により均衡をもたらす」と述べた。またブラジル政府報道官は、新銀行が「域内の統合と南米国家共同体(Union of South American NationsCSN)の強化に重要な役割を果たす」との見方を示した。

 新銀行の営業開始は2008年を予定しており、当初の資本金は70億ドル。ベネズエラの首都カラカス(Caracas)に本部を、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)とボリビアのラパス(La Paz)に支部を置き、参加国の財務相でつくる理事会が運営に当たる。(c)AFP