【12月10日 AFP】フィリピンのマニラ首都圏開発庁(Metropolitan Manila Development AuthorityMMDA)は9日、街頭でクリスマスキャロルを歌うことを「安全上の理由で」禁止するとともに、違反者は検挙すると警告した。

 交通安全を監督する同庁のBayani Fernando長官はラジオで、この禁止令は子どもと運転手を守るためのものと説明。10日に発効するとしている。

 マニラでは毎年クリスマスシーズンに、スラムの子どもたちなどが「にわか聖歌隊」となり、交通量の多い道路の交差点でクリスマスキャロルを歌い、信号待ちをしている車の間を行き来して運転手らにお金をせびる。しかし、前年にはそうした子ども1人がトラックにはねられて死亡するなど、交通事故と隣り合わせという危険もはらんでいる。

 Fernando長官は、そうした危険な行為への懸念を表明するとともに、道端でクリスマスキャロルを歌う子どもたちにお金をめぐむことは「子どもたちを道路にとどめて交通事故の危険度を増す行為」だとして、お金は子どもにではなく「慈善団体」に寄付するよう市民に呼び掛けた。

 フィリピンは、国民の80%以上の8700万人がローマカトリック教徒というアジア有数のカトリック教国だ。(c)AFP