【12月9日 AFP】失踪(しっそう)から5年後にロンドン(London)の警察署に突如現れ、その後詐欺容疑で逮捕されたジョン・ダーウィン(John Darwin)容疑者(57)の妻アン・ダーウィン(Anne Darwin)さん(55)は8日、英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)とデーリー・ミラー(Daily Mirror)に対し、巨額の借金から免れるため夫の狂言に乗り、ひそかに一緒に暮らしていたことを認め、事件の詳細を明らかにした。

 アンさんは、英国に帰国すれば逮捕される。

■借金地獄から抜け出すため狂言失踪を実行

 アンさんは、ダーウィン夫妻はうそからうそへの悪循環に陥り、前週、ジョン容疑者がロンドンの警察署に現れた際、ついにほころびが出てしまったと語った。 「わたしたちに近しい人たちが、ジョンは行方不明で恐らく死んでしまっていると信じる中、彼は3年間私と一緒に住んでいた。信じられないことでしょうが、これが事実です」と述べ、どのように各当局、友人、さらには自身の息子たちまでだましてきたのか、今回の事件の真相を明らかにした。

 アンさんによると、夫妻は英国北東部ダラム(Durham)州に投資のために購入した賃貸用の家を12軒所有しているが、そのせいで借金が数万ポンドにもかさんでいったという。

 ジョン容疑者は借金地獄から抜け出すには狂言失踪しか道は残されていないとアンさんに語っていた。そして2002年3月22日にカヌーで海に出て、そのまま帰らなかった。カヌーの残骸は数週間後に打ち上げられた。 「ジョンは本当に死んだと思った」とアンさんは主張する。

 それから11か月後の2003年2月、ジョン容疑者がボロボロの格好でアンさんの前に姿を現した。

■帰宅後は変装で身元を隠す

 ジョン容疑者は時々ほかの場所に滞在していたが、そのうち自宅に移り住み、息子たちが訪れた際には、隣接する夫妻所有のワンルームのアパートに身を隠していた。また、外出の際には帽子をかぶり、襟を立て、つえをつきながら足を引きずって歩いた。さらに、そのアパートの住所を利用して、「John Jones」という名前で旅券も取得した。

 ある時、夫妻は移住も考えてキプロスへ旅行。その後、パナマ市(Panama City)へ向かい、そこで今年4月に9万7000ドル(約1080万円)の共同住宅の一室を買った。

 アンさんは、「ジョンは数年ぶりにくつろぎ、幸せそうだった。まるでわたしたちの結婚生活がよみがえり、肩の重荷を降ろしたようだった」と語る。

 しかし、ビザの再申請が必要となったジョン容疑者は、英国に帰国した際、再び姿を現し、記憶喪失だと主張するとの計画をアンさんに話した。 「ジョンは、残りの人生を隠れながら過ごしたくないと言っていた」とアンさんは語った。(c)AFP