【12月8日 AFP】韓国西岸沖合で7日、香港船籍のタンカーがはしけと衝突して積み荷の原油が流出した事故は、1万トン以上が流出する同国内の油流出事故としては最悪の規模となった。8日、油は現場近くの同国南西の海岸に到達して海岸を汚染しており、貴重な水産資源への被害が懸念される。

ソウル(Seoul)の南西120キロのEuihangri海岸からAFPの電話取材に応じた目撃者は「これまでの私たちの海ではない。海はどこもかしこ茶色。波はこげ茶色で、海岸には油と砂の塊が散らばっている」と語った。別の地元住民によれば油の刺激臭で息もできないほどだという。

 Euihangr海岸の隣の万里浦(マンリポ、Mallipo)海岸では、流出した原油の帯が15キロにわたって続いており、海岸線を汚染している。

万里浦のGuk Jung-Ho村長によると、軍から250人、警察から150人、ボランティア600人が動員され、海岸の原油除去作業に当たっている。しかし、地元の住民によると、高圧放水装置や、携帯用タンクといった装備の不足から作業は遅れているという。

これらの海岸はアジア最大規模の湿地帯地域で、渡り鳥の重要な生息地となっている。(c)AFP