【12月8日 AFP】(12月9日、写真追加)インドネシア・バリ(Bali)島で開催中の国連気候変動枠組み条約(UN Framework Conference on Climate ChangeUNFCCC)第13回締約国会議(COP13)では、出席者はえり付きの服やネクタイを放り出し、風通しのよい同国伝統のろうけつ染め「バティック」のシャツを着て会議に臨んでいる。

 主催のUNFCCCは、温室効果ガスを排出するエアコンの使用量を抑えるため、各国代表には略式の服装で参加するよう求めていた。

 同島は赤道近くの南国リゾート地で、ビーチではほとんどの観光客が水着で過ごす。同国では公式行事でもバティックを着用する。

 会議場のあちこちで目にする色とりどりのバティックのシャツは、会議で交わされる無味乾燥の会話を和らげてくれるかもしれない。

 会議のコーディネーターSalwa Dallalah氏は、「内気な人でも、ほかの出席者が花柄のバティックを着ているのを見ればその気になるだろう」と話す。女性陣の着こなしの方が上手だそうだ。

 もっとも男性陣も、万華鏡のようにカラフルなバティックのシャツでほかの出席者に差をつけようと競っている。

 UNFCCCのイボ・デ・ブーア(Yvo de Boer)事務局長も、会議初日の3日から、非常に手の込んだ絹のバティックのシャツを着用している。5日にはきらきら光る黒地に金と黄色の渦がデザインされたバティックを着こなしていた。

「(略式の服装を)事務総長自身が率先して実践している。(各会議の)議長らはシャツの柄で競っている」とDallalah氏は笑う。

 藍(あい)色のバティックが絶賛を浴びた報道担当のAxel Wustenhagen氏は、次週到着する閣僚級の出席者に対し、デ・ブーア事務局長は会議場で目にしたネクタイを切ってしまうつもりだと警告している。(c)AFP