【11月28日 AFP】神奈川歯科大学(Kanagawa Dental College)の研究チームが、災害犠牲者の歯による身元確認作業の時間を大幅に短縮するシステムを開発し、27日に米シカゴ(Chicago)で開かれた北米放射線学会(Radiological Society of North America)の年次総会で発表した。

 研究チームを率いる同大学の小菅栄子(Eiko Kosuge)歯科医師によると、新たに開発したコンピューターシステムにより、自動的に犠牲者の歯型を読み取り不特定多数の歯科記録と照合、4秒以内に身元確認が可能になる。

 同システムには、「位相限定相関法(Phase-Only Correlation)」という画像照合技術が採用されており、並べた画像の類似度を高精度で測定できる。

 地震や航空機事故、爆撃などで多数の犠牲者が出た場合、現在は専門家が、遺体一体一体の歯型を歯科医師から提供されたレントゲン写真や歯牙所見と比較して、身元確認を行っている。だが、この方法は数週間の時間がかかる上に、完全に信頼できるわけではない。ところが新システムを使用すれば、法医学専門家が費やす時間の5%で済むという。(c)AFP