【11月25日 AFP】クロアチアの総選挙の投票が25日、始まった。欧州連合(EU)への加盟を目指す同国の政権争いは、イボ・サナデル(Ivo Sanader)首相率いる保守系与党クロアチア民主同盟(Croatian Democratic UnionHDZ)と返り咲きを狙う左派野党社会民主党(SDP)との間で繰り広げられている。

 両党が同じような政策を掲げていることから、特に懸案事項となっているEUと北大西洋条約機構(NATO)への加盟については、どちらが政権を取っても外交・内政政策は概ね変わらないとの見方でアナリストらの意見は一致している。

 選挙前の争点は、国外居住者、特に隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに住むクロアチア人の選挙権をめぐる問題だ。

 クロアチアの有権者440万人のうち約40万人は国外に住んでおり、その大半はボスニア・ヘルツェゴビナに住むHDZ支持者だ。接戦になった場合、彼らの票が選挙結果を左右する可能性がある。SDPのMilanovic党首がクロアチアの法律では選挙権は国内に住む人にのみ認められていると主張した一方、HDZはボスニア・ヘルツェゴビナで国外居住者の票集めに奔走した。

 現在の議会議席数は152議席だが、160議席まで増やされる可能性がある。獲得票数によって、8議席が少数民族に、最大12議席が国外に居住するクロアチア人に割り振られる。

 投票は午後7時(日本時間26日午前3時)まで。その後、間もなく出口調査の結果が発表され、午後9時(日本時間26日午前5時)ごろに正式結果の第1報が出される。(c)AFP