【11月23日 AFP】(23日写真追加)アルゼンチン南方の南極海で乗員乗客154人を乗せた客船「MV Explorer」号が浸水した事故で、救命ボートで脱出した乗客乗員は、現場付近に急行した複数の船舶に救助されている。複数の沿岸警備関係者と海軍関係者が明らかにした。

「MV Explorer」はアルゼンチン南方、南極海のサウスシェトランド諸島(South Shetland Islands)付近を航行中に氷山に衝突した。

 、英衛星放送スカイニューズ(Sky News)テレビは小型客船「エンデバー(Endeavour)」が現場に到着し、脱出した人々を乗船させていると報じた。

 MV Explorerには船長と上級航海士らが残り、船内に侵入した海水と格闘しているという。報道官は「現時点で船が沈没するかどうか分からないが、相当浸水している」と述べた。これに先立ち別の報道官はこの船は25度傾斜していると語った。

「MV Explorer」の遭難信号に呼応してほかの船舶も現場に向かっているという。氷山に衝突したのかを問われた報道官は「われわれは船が何かに当たったと報告を受けている。船が置かれている状況からすると、その可能性は高い」と答えた。

 チリの海軍大佐はCNNテレビに対し船は氷山に衝突したと語った。「現地時間午前12時54分(日本時間午後12時54分)、リベリア船籍の客船『MV Explorer』からの遭難信号を傍受した。同船はキングジョージ島(King George Island)周辺、チリのTeniente Marsh基地付近で氷山に衝突した」と語った。

 南極海は春から夏を迎えており、現場付近の天候は比較的良好だった。平均気温は零下5度前後だった。(c)AFP