【11月20日 AFP】(一部更新)ケニアでハイエナに襲われ瀕死(ひんし)の重傷を負い、いったんは両腕は失ったものの頭部や顔の復元手術には成功したと報じられていた男性が、死亡したと病院関係者が20日、発表した。

 亡くなったのは首都ナイロビ(Nairobi)から北東へ約260キロほどの場所にあるサンブル(Samburu)で牧畜業を営むモーゼス・レカラウ(Moses Lekalau)さん(35)。

 病院の広報担当者は「レカラウさんは19日午後6時半(現地時間)に出血多量で亡くなった。どちらの戦いも命をかけて勇敢に戦った」と述べた。

 レカラウさんは、牛の群れを引き連れて自宅への道を歩いていたところ1頭のライオンに襲われた。レカラウさんは果敢にもライオンに立ち向かい、ライオンをやりで突き殺すことに成功した。

 しかし、その直後、周りの茂みから現れたハイエナの群れに襲われ、レカラウさんは顔や全身がめちゃめちゃになるほどの重傷を負った。

 ナイロビのケンヤッタ国立病院(Kenyatta National Hospital)に担ぎ込まれたレカラウさんは、両腕は切断することになってしまったが、頭部の復元手術には成功、一命を取り留めたと報じられていた。

 レカラウさんが暮らす村は、野生動物が数多く生息する地域にある。少年が大人の男として認められる通過儀礼としてライオンを殺す風習があり、レカラウさんは一躍、村の英雄となった。(c)AFP