ロゲ会長ら 「世界のドーピング撲滅運動は不十分」と不満をあらわにする
このニュースをシェア
【11月16日 AFP】スペインのマドリードで15日に開幕した「スポーツに関するドーピングの世界会議2007」で、国際五輪委員会(International Olympic Committee:IOC)のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長と世界反ドーピング機関(World Anti-Doping Agency:WADA)のリチャード・パウンド(Richard Pound)会長が、スポーツにおけるドーピング撲滅運動が十分でない各国政府を非難した。
ロゲ会長は、「WADAのパートナーである行政機関のスポーツ活動の両者には、すべきことが山積しており、それらの問題を速やかに片付けなければならない。WADAは、行政機関や五輪の活動が規格に適応しなければ十分な信ぴょう性を得ることはできないのだ。私は全行政機関にユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization:UNESCO)の設けた協定に批准し、その責任を全うするよう要請させていただきたい」と語り、ロゲ会長の定めた2009年1月1日までに各行政機関が批准するよう訴えた。現在、スポーツにおける薬物撲滅の要石とIOCが考えているUNESCOのスポーツにおけるドーピングの国際協定には、IOCに加盟する205か国中70か国のみが批准している。
また2009年1月1日が、今回の会議で改訂増補されているUNESCO協定の核の部分となる世界反ドーピングコードの施行日であることは偶然ではない。もし各国がこの協定に批准しない場合、2010年にカナダのバンクーバーで行われる冬季五輪と2012年に英国のロンドンで開催される夏季五輪に参加禁止となる可能性がある。
一方のパウンド会長は、各国の法律や法律制定に対する政府の関与の欠如がスポーツに関する薬物の製造や販売の撲滅に対し大きな障害になっていると特定した。パウンド会長は、2007年9月に2年をかけ中国やメキシコからステロイドの原料の輸入業者を狙った米国の麻薬取締局(Drug Enforcement Administration:DEA)や連邦当局が中心となった国際的な取り組みの「ロー・ディール作戦」を引き合いに出し、「ロー・ディール作戦が良い例となるだろう。5000万ドル(約55億円)相当の同化作用のあるステロイドが作戦の中で発見されたにもかかわらず、捜査関係者はそれはまだ氷山の一角だと言うのだ。この作戦に各国が参加していれば、この氷山がさらにあらわとなっていただろう。いくつかの国はその国の理由によって(ロー・ディール作戦に)参加しなかった。その国々にはそれを施行する法律がなかったから」と不満げに語った。このロー・ディール作戦では未だに捜査が続行されており、9か国で124人が逮捕されている。
WADAの役員会に所属する37人のうち18人が各国の公的機関から選出されているが、皮肉なことにパウンド会長は役員会のメンバーと対立していることが多々ある。 (c)AFP