【東京 11月21日 MODE PRESS】パキスタンで誘拐・殺害された米国人ジャーナリスト、ダニエル・パール(Daniel Pearl)氏をめぐる一連の事件を描いた『マイティ・ハート/愛と絆(A Mighty Heart)』が、11月23日から全国で公開する。監督を務めたマイケル・ウィンターボトム(Michael Winterbottom)監督が作品について語った。

■物語りが進むように時系列で行なった撮影

 同監督は、カメラを直接手に持って1シーンを1ショットで取る撮影方法や、アドリブ演技を俳優たちに任せるといった手法で今作品の製作を行なった。主演のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)もこの手法を気に入っていたという。

 「アンジェリーナと組めて最高だった。事前に私たちがいつも取っている方法を説明した。彼女はそれを気に入ってくれたようで初日かた素晴らしかった」とウィンターボトム監督。

 また、同監督は過去に手掛けた作品に携わったスタッフを起用することが多い。「信頼できるクルーと組めるとリラックスして望める。今回のスタッフは皆ぞれぞれの分野でとても才能があり、互いに尊敬し合っていた」と語る。

 同作品誕生のきっかけとなった著書「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死(A Mighty Heart: The Brave Life and Death of My Husband Danny Pearl)」(潮出版社)の著者であるダニエル氏の妻マリアンヌ(Mariane)も製作に大きく協力した。監督は「マリアンヌは本当に素晴らしい人だ。私たちが会うべき人々を次々と紹介してくれ、彼女が体験したことへの質問にも全て答えてくれた。同時に自由に映画作りをさせてくれた。」とマリアンヌ氏を称賛。

■「まるで実物の人たちのようだった」

 作品中で重要な要素となるカラチ(Karachi)でパール夫妻が滞在していた家をインドに再現し、5週間撮影現場として使用した。ここではダニエルが行方不明になった夜から殺害までを実際の流れに沿って撮影したため、キャスト・スタッフともに撮影が進むにつれ関係を深めていったという。

 「現実と同じくらいの時間で撮影できた。最終的にはマリアンヌから聞いたような人間関係が、あの家の中で確立されていた。最後のディナーの場面でマリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)が『皆に気に病まないで欲しい』と伝えるところは、まるで実物の人たちのようだった」と語る。

■事件関係者も撮影に大きく協力

 政治情勢が不安定なパキスタンだが、屋外シーンのほとんどはカラチ市内で撮影された。「最小のクルーで、大勢のパキスタン人俳優を使った。政府から撮影許可を取り付けるのに時間を費やした一方、カラチの警察機構の協力を多いに得た。」と撮影を振り返る。

 また、映画の製作に当たり、事件に関わりのある人々へのインタビューも行なった。1人の人物を描いた物語である一方、様々な観点を取り入れる必要があったためだという。「マリアンヌとダニエルが、ジャーナリストとして仕事に取り組む姿勢をこの映画の本質的な部分に投影したかった。つまり人物をなるべくありのままに描くということだ。」

 俳優たちも、自分たちが演じる人物に直接会ったという。実在の人物を演じるプレッシャーはなかったのだろうか?「それぞれにとっての“ダニエル・パール事件”を、彼らの口から聞いた。役者たちが、自分が演じる人物への責任を感じていたのは明白だった。撮影が時系列に沿って進んだので、俳優たちも物語に沿って関係を深めていった」と監督は言う。(c)2006 Paramount Vantage. All Rights Reserved./MODE PRESS

◆映画情報◆
タイトル :『マイティ・ハート/愛と絆』
公開表記 :11月23日(祝/金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて全国ロードショー
配給   :UIP映画
  • 『マイティ・ハート/愛と絆』公式HP