【11月15日 AFP】スイスで2004年に航空管制官を刺殺した罪で同国で服役していたビタリー・カロエフ(Vitaly Kaloyev)元受刑者(57)が、減刑により釈放され、13日早朝、ロシアの空港に到着した。ロシア通信(RIA、旧ノーボスチ通信)が伝えた。

 2002年7月1日にドイツ南部のユーバリンゲン(Ueberlingen)上空で発生した飛行機事故で妻子3人を亡くしたカロエフ元受刑者は2004年2月、事故当時の航空管制官だったピーター・ニールセン(Peter Nielsen)氏をスイスのチューリヒ(Zurich)近郊で刺殺し、実刑判決を受けチューリヒの刑務所で服役していた。

 しかし、スイス裁判所は8日、カロエフ元受刑者は犯行当時、心神喪失状態にあり、全行動について責任能力を問うことはできないとの判断を下し、同元受刑者の刑期が5年3月に短縮された。

 これにより釈放されたカロエフ元受刑者は12日夜、チューリヒ空港を発ち、翌13日朝、ロシアの首都モスクワ(Moscow)のドモジェドヴォ(Domodedovo)空港に到着した。

 カロエフ元受刑者が妻子を失った飛行機事故は、ロシアからスペインに向かっていたロシアのバシキール航空機とDHLの貨物機がドイツ南部ユーバリンゲン(Ueberlingen)上空で衝突したもので、ロシアの小中学生ら71人が死亡した。(c)AFP