【11月15日 AFP】アルゼンチンのコリエンテス(Corrientes )州検察当局は14日、同州北東部で2006年に発生したホームレス少年の猟奇的殺害事件はカルト教団の犯行によるものとのみて、同教団の信者らに対する捜査を行っていることを明らかにした。

 グスタボ・シュミット(Gustavo Schmitt)主任検察官がAFPに対し語ったところによると、殺害されたのは宗教画などを売って生計をたてていたホームレスの少年、ラモン・イグナシオ・ゴンザレス(Ramon Ignacio Gonzalez)くん(当時12)。2006年10月、ブエノスアイレス(Buenos Aires)北方700キロにある同州北東部の都市、メルセデス(Mercedes)で、遺体となって発見された。

 遺体からはすべての皮膚がはがされていたほか、舌、のど、脊椎などが持ち去られていた。また、性的暴行や拷問を受けた痕跡があり、生きたまま斬首されたものとみられる状態だった。

 ゴンザレスくんの友人だった14歳の少女が、警察に「カルト教団が神々への生けにえとしてゴンザレスくんを殺した」と証言したことから、捜査当局は容疑者としてカルト教団の信者6人の身元を割り出し、現在、追跡中だという。また、実行犯6人のほかにもゴンザレスくんの殺害を指示し謝礼を支払ったとみられる「教祖」がいるとみている。

 同教団は、アルゼンチンのカルト教団「Argentine San La Muerte (聖なる死)」やアフリカ系ブラジルのカルト集団など、さまざまなカルト集団の特異な儀礼を寄せ集めた教団で、ゴンザレスくんは宗教儀式の中で殺害されたものとみられる。

 同検察官は、2005年にメルセデスの路上で新生児の撲殺遺体が発見された事件についても、同カルト教団に関連があるとみて捜査する見込みだという。新生児の遺体からは骨数本が持ち去られていた。犠牲となった新生児の親は見つかっていない。(c)AFP