【11月13日 AFP】(14日写真追加)日本とケニアの考古学者による合同研究チームが2005年にケニアで発見した約1000万年前の類人猿の化石が、ゴリラ、チンパンジー、ヒトの共通祖先に極めて近いことが分かった。研究成果は米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)電子版で12日発表された。

 11本の歯が付いた写真の下あごの骨は2005年、ケニアのリフトバレー(Rift Valley)東端のナカリ(Nakali)山の火山泥の中で発見された。

 遺伝子研究では、ヒトと類人猿が共通祖先から分岐したのは約800万年前とされているが、アフリカではその直接証拠となるはずの1300万年前以降の類人猿化石の発掘が少ない「空白期」がある。

 一方で、アジアや欧州ではこの年代の化石が数多く発見されており、アフリカの現生大型類人猿の化石との類似点もみられることから、ヒトと類人猿の共通祖先がいったん欧州など他地域に移住して複数の種類に進化したあと、そのうちの一種類が再びアフリカに戻ったと考える専門家もいる。

 今回の研究はこの説を否定する内容で、研究チームは「空白期」にもアフリカにヒトと類人猿の共通祖先が生きていたことを示すものだと考えている。(c)AFP/Louise Daly