【11月12日 AFP】パキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領が前日、来年1月に総選挙を実施する方針を発表したことを受け、ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相は12日、非常事態宣言下で実施される総選挙では無意味だとの見解を示し、ムシャラフ氏への圧力を強めた。

 13日に非常事態宣言に抗議する大規模なデモ行進をラホール(Lahore)で計画しているブット元首相は、11日午後に現地で記者会見を開き、ムシャラフ大統領が総選挙日程の回復を発表した点は歓迎するとしたものの、民間人に対する捜査・訴追権限を軍に認め、場合によっては軍法会議を適用できる新法と非常事態宣言の下では、適切な選挙は不可能だと批判した。

 ブット氏は「政府は選挙実施を発表する一方で陸軍法を導入したが、これらは相反するメッセージを送っている。軍法や非常事態宣言の下で公正な選挙など不可能だ」と述べ、選挙実施の発表だけでは、国内の緊張を緩和するには十分でないとの考えを示した。

 過去2回の首相経験があるブット元首相は、ムシャラフ大統領に現在、対抗可能な唯一の野党指導者。13日には非常事態宣言の解除を求めてラホールから首都イスラマバード(Islamabad)へのデモ行進を計画しているが、同宣言下では大規模集会が禁じられている。政府高官と警察当局は12日、ブット氏主導のデモを許可するかを協議する予定だが、警察幹部によると許可が出る可能性は低い。

 ブット氏の夫、アシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)氏は、ドバイ(Dubai)からの電話インタビューで、「ムシャラフ大統領の発言は時間を稼ぎ批判をそらすための作戦だ」と指摘し、ブット氏同様、非常事態宣言と公正な選挙は「相容れないものだ」と述べた。

 米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官も、選挙実施の発表については歓迎したものの、非常事態宣言の解除を要請した。

 英連邦(Commonwealth)各国外相は12日午後、ロンドンでパキスタンの加盟資格の一時停止について協議する。1999年のムシャラフ氏の政権掌握後にも5年間、パキスタンは加盟資格の停止処分を受けている。(c)AFP/Rana Jawad