【11月12日 AFP】トニー・ブレア(Tony Blair)元英首相は11日、首相在任時に財務相だったゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相との関係について長年の沈黙を破り、確執があったことを認めた。一方で、ブラウン氏が自身の後継者を狙っていたことは気にならなかったと述べた。

 ブレア首相は英BBCで放送予定のドキュメンタリー番組の中で、首相在任時にブラウン氏との間に「無視できない問題」が存在したことを認め、「確かに、わたしとゴードン(ブラウン氏)との関係は、通常の首相と財務相の関係とは違った。時に緊張する場面があったのは事実だ」と話した。

 また、2005年の総選挙後に、予算権限などをめぐってブラウン財務相(当時)の権力基盤を弱体化させる計画があったが、「成功しなかった」とも述べた。

 一方、両者の間には「全体的に見て」確執があったが、首相と財務相として「国益のため協力して職務に取り組むこと」は何とかできたと主張。ブラウン氏が次期首相を狙っていたことについても「卑劣な野望などではないとこれまでも言ってきた。気にしたことはなかった」と語った。

 ブレア、ブラウン両氏は、どちらも1983年に初当選し、ともに英労働党(Labour Party)の改革に情熱を燃やす友人となった。しかし1997年の総選挙で労働党が圧勝しブレア氏が首相となった後、ブラウン氏は「2期目の途中でブラウン氏に政権を譲る」とのブレア氏の約束が守られなかったと考えるようになり、2人の仲は悪化していったとされている。(c)AFP/Prashant Rao