【11月7日 AFP】米インターネット大手ヤフー(Yahoo)が中国当局に利用者の個人情報を提供していた問題をめぐる米下院外交委員会の公聴会で6日、ヤフー幹部が情報提供がもとで逮捕された中国人ジャーナリスト、師濤(Shi Tao)氏の母親に直接謝罪した。

 現在、中国で服役中の師濤氏は、中国政府が地元メディアに天安門事件に関する記載を禁じている事実をインターネット上で明らかにしたが、これが国家機密の漏えいにあたるとして、2005年に有罪判決を受けた。このとき、警察が同氏の身元割り出しに利用したのが、ヤフーが提供した情報だった。

 同外交委員会のトム・ラントス(Tom Lantos)委員長は「米国の有力企業が、中国の人権弾圧の一翼を担っているとは信じがたい」と語るとともに、公聴会に出席していたヤフーのジェリー・ヤン(Jerry Yang)最高経営責任者(CEO)とマイケル・キャラハン(Michael Callahan)上級副社長に対し、師濤氏の母親への謝罪を促した。

 これを受け、両氏は背後に着席していた母親のGao Qinshengさんに向かって数回頭を下げ、謝罪の意を示した。

 米下院外交委員会は、師濤氏の逮捕とヤフーとの関連を調査していた米議会に対し十分な情報提供を怠ったとして、ヤフーを厳しく非難していた。(c)AFP/P. Parameswaran