イスラム教徒女性を描いた映画『Brick Lane』、ロンドンで議論の的に
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【11月5日 AFP】10月26日に第51回ロンドン国際映画祭(The Times BFI 51st London Film Festival)で初公開された『Brick Lane』が大きな議論を巻き起こし、王室の上映会出席が中止となるなどの騒動に発展している。
本作は、高い評価を受けたモニカ・アリ(Monica Ali)の小説を映画化したもので、見合い結婚のため、17歳でバングラディシュからロンドンに移住してきたイスラム教徒の女性ナズニーン(Nazneen)を描いている。監督を務めたのはSarah Gavron。
映画はTannishtha Chatterjee演じるナズニーンの視点から描かれる。わびしい公営住宅の狭い一画で、太って年老いた夫とその2人の娘たちと暮らすナズニーン。だが金の心配をする日々や結婚生活に関する悩みは、突然終わりを告げる。彼女に裁縫師の仕事を紹介したカリム(Karim)と情熱的な恋に落ちるのだ。映画のクライマックスでは、サリーを身につけ常に従順だったナズニーンが、自らの人生にけじめをつける。
同作はまた、2001年9月11日の米国同時多発テロで高まる社会緊張とイスラム改革主義の台頭にも言及している。
この作品に対し、2006年7月にロンドン東部で33万人のバングラディシュ人が暮らすコミュニティ「バングラタウン(Banglatown)」地区で、『Brick Lane』に対する抗議運動が起きた。バングラディシュ人を無知でイスラム教に対する敬意を欠いた人間として描いている同著は、コミュニティに対する侮辱だとして、抗議者らが本に火をつけたのだ。
さらに29日に予定されていたチャールズ皇太子(Prince Charles)の映画祭出席も中止となった。皇太子の広報担当者は、「皆さんが知っているように、その作品に関しては非常に多くの議論が交わされている。上映される映画の適切性は重要だが、日程も重要だ。理由は両者。当初、この作品は候補のひとつに過ぎなかったが、どの映画でもどの日程でも調整することができなかった」と発表。チャールズ皇太子は、年明けでの日程再調整を提案しているという。
だが王室は、作家サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏への爵位授与が決定したあとのような騒動を避けたがっているとも伝えられている。ラシュディ氏は、小説『悪魔の詩(The Satanic Verses)』の著者で、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の誕生日を記念して贈られる勲章を受けたが、『悪魔の詩』を冒とくだと考えるイスラム社会で抗議行動が巻き起こった。
王室が出席する上映会は、1958年を除いて、1946年以降、毎年開催されてきた。収益は王室のチャリティ活動に運用され、Cinema and Television Benevolent Fundが上映会を主催している。
『Brick Lane』は、16日から全英公開となる。フランス・ディナール(Dinard)で行われたDinard British Film Festivalでは2つの賞を獲得しているが、欧州での公開日は決定していない。さらにGavron氏によれば、アジアでの公開予定もまだ決まっていないという。(c)AFP/Lucie Godeau
本作は、高い評価を受けたモニカ・アリ(Monica Ali)の小説を映画化したもので、見合い結婚のため、17歳でバングラディシュからロンドンに移住してきたイスラム教徒の女性ナズニーン(Nazneen)を描いている。監督を務めたのはSarah Gavron。
映画はTannishtha Chatterjee演じるナズニーンの視点から描かれる。わびしい公営住宅の狭い一画で、太って年老いた夫とその2人の娘たちと暮らすナズニーン。だが金の心配をする日々や結婚生活に関する悩みは、突然終わりを告げる。彼女に裁縫師の仕事を紹介したカリム(Karim)と情熱的な恋に落ちるのだ。映画のクライマックスでは、サリーを身につけ常に従順だったナズニーンが、自らの人生にけじめをつける。
同作はまた、2001年9月11日の米国同時多発テロで高まる社会緊張とイスラム改革主義の台頭にも言及している。
この作品に対し、2006年7月にロンドン東部で33万人のバングラディシュ人が暮らすコミュニティ「バングラタウン(Banglatown)」地区で、『Brick Lane』に対する抗議運動が起きた。バングラディシュ人を無知でイスラム教に対する敬意を欠いた人間として描いている同著は、コミュニティに対する侮辱だとして、抗議者らが本に火をつけたのだ。
さらに29日に予定されていたチャールズ皇太子(Prince Charles)の映画祭出席も中止となった。皇太子の広報担当者は、「皆さんが知っているように、その作品に関しては非常に多くの議論が交わされている。上映される映画の適切性は重要だが、日程も重要だ。理由は両者。当初、この作品は候補のひとつに過ぎなかったが、どの映画でもどの日程でも調整することができなかった」と発表。チャールズ皇太子は、年明けでの日程再調整を提案しているという。
だが王室は、作家サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏への爵位授与が決定したあとのような騒動を避けたがっているとも伝えられている。ラシュディ氏は、小説『悪魔の詩(The Satanic Verses)』の著者で、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の誕生日を記念して贈られる勲章を受けたが、『悪魔の詩』を冒とくだと考えるイスラム社会で抗議行動が巻き起こった。
王室が出席する上映会は、1958年を除いて、1946年以降、毎年開催されてきた。収益は王室のチャリティ活動に運用され、Cinema and Television Benevolent Fundが上映会を主催している。
『Brick Lane』は、16日から全英公開となる。フランス・ディナール(Dinard)で行われたDinard British Film Festivalでは2つの賞を獲得しているが、欧州での公開日は決定していない。さらにGavron氏によれば、アジアでの公開予定もまだ決まっていないという。(c)AFP/Lucie Godeau