【11月2日 AFP】(11月7日更新)ロシア最後の皇后、アレクサンドラ皇后(Alexandra Fyodorovna)の豪華なドレスから、ウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)夫人の地味な作業着まで、20世紀のめまぐるしく変化するロシアを率いた政治家の妻たちにスポットを当てた展覧会が、モスクワ(Moscow)で開催されている。

■時代を象徴する女性たちの日用品を展示

 「Russian First Ladies of the Twentieth Century(20世紀ロシアのファーストレディ)」と題された同展覧会は、ロシア現代史博物館(State Central Museum of Contemporary History of Russia)で開催。常に夫のそばに静かにたたずみ、しかしその時代を象徴する存在だった女性たちの衣服、宝石、写真、家具などが展示されている。開催期間は2008年3月10日まで。

 最初の展示コーナーでは、ドイツ生まれのアレクサンドラ皇后の幼少時代の刺しゅうや、皇后の名前で負傷した兵士に贈られた金メッキの卵の装飾品などが見られる。皇后の生活や家庭をかいま見ることのできる品々だ。1918年に夫とともに皇后も射殺され、王政は終わりを告げる。

■歴代指導者夫人の日常生活の一端をうかがい知る

 次の展示コーナーはソ連初の指導者レーニンの夫人だったナデジダ・クルプスカヤ(Nadezhda Krupskaya)に関するもの。このコーナーには、レーニンから送られた手紙が入ったかばん、質素な作業着、硬い革製のウォーキングシューズ、読書用メガネなどが並んでいる。

 その次は、独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の2人目の妻Nadezhda Alliluyevaの展示コーナー。スターリンから送られた手紙や、夫妻が海辺でくつろいでいる写真などが展示されている。1932年にAlliluyevaは自殺した。

 このほか、近代化を進めたニキータ・フルシチョフ(Nikita Khrushchev)第一書記の妻ニーナ(Nina)夫人の写真もある。写っているのは米国を訪れた際の姿で、黄色の装飾が施されたおしゃれな革製のスーツケースが、緊縮経済の時代が終わりを告げつつあったことを示している。

■ペレストロイカ時代、国民の怒りを買ったゴルバチョフ夫人

 しかし、そんな楽観的な時代の雰囲気は、レオニード・ブレジネフ(Leonid Brezhnev)第一書記約20年にわたる治世の到来でかすんでいく。その妻ビクトリア(Victoria)夫人は、特にリチャード・ニクソン(Richard Nixon)元米大統領の妻パトリシア(Patricia Nixon)夫人と、旧ソ連を訪れた際などに断固とした頼りがいがある姿を見せていた。

 やがてソ連は、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領の登場で大きく移り変わる。ソ連最後のファーストレディとなった妻ライーサ(Raisa Gorbachev)夫人の展示は同展覧会で、その後のボリス・エリツィン(Bolis Yeltsin)元大統領の妻Naina Yeltsin夫人、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の妻Ludmila夫人よりも、人目を引く。金色の服は、ライーサ夫人が西欧で豪華なショッピング旅行をしたことをうかがわせる。そして「ペレストロイカ(Perestroika)」と呼ばれた改革の時代に、なぜ彼女が国内の一般女性の怒りを買ったかを察することができる。(c)AFP/Olga Nedbayeva